脂質異常症の治療 〜暮らしのなかでできることから〜
脂質異常症と聞くと、つい「薬で治すもの」と思ってしまいがちかもしれません。
けれど、治療の土台になるのは、食事や運動など毎日の習慣です。生活の積み重ねが血管の状態をつくり、守ってくれるからです。
治療の目的はひとつ――
動脈硬化を進ませず、心筋梗塞や脳梗塞などの重い病気を防ぐこと。
薬を使うかどうかはその人の状態によって異なりますが、「今できること」から始めていくのが何よりの一歩です。
食事療法 〜“食べ方”を少しだけ見直す〜
食事は毎日のこと。だからこそ、ほんの少し意識を変えるだけでも、体には確かな変化があらわれてきます。

- 油っこいものや甘いものは「ほどほど」に
- 野菜や食物繊維をしっかり摂る
- 食事のバランスを意識する
- 食後の血中脂質の上昇を防ぐため、1食あたりの脂質を控えめに
目標は、脂肪は全体のエネルギーの20〜25%、炭水化物は50〜60%程度。
体重が気になる方は、まずは1か月に1kg減や、現在の体重の3%減といった現実的なゴールから始めるのがコツです。
運動療法 〜「がんばりすぎない運動」でいい〜
運動と聞くと、「時間がない」「体力がない」と感じる方も多いかもしれません。
でも大丈夫。大切なのは「毎日ほんの少し、続けること」です。

おすすめは以下のような運動です
- 有酸素運動(ウォーキングや軽いジョギングなど)
「話しながらできるくらいの強さ」が目安です。 - レジスタンス運動(軽い筋トレ)
血糖・脂質の代謝アップに効果があります。
時間が取れない日は、「+10分」だけ歩いてみる。これだけでも血管にとっては立派な応援になります。
薬物療法 〜薬はサポーター。生活習慣と一緒に〜
お薬を使うのは、心筋梗塞や脳梗塞の経験がある方や、糖尿病・高血圧などが合併している方が中心です。
コレステロールの値が高い場合は、スタチンというお薬から始めることが多く、副作用が出た場合は他の薬や組み合わせで調整します。

薬は代わりにやってくれるものではありません。
「薬を飲んでいるから大丈夫」と思って、食事や運動をおろそかにしないことがとても大切です。
薬が必要なときは、医師や薬剤師と一緒に自分に合った治療を見つけていきましょう。
☝🏻最後に
脂質異常症の治療は、無理をしすぎないことが大切です。
「いきなり全部変える」必要はありません。自分のペースで、ひとつずつ変えていくことが、いちばん長く続く方法です。
食事を少し見直すこと。
今日、5分でも歩いてみること。
ひと息ついて、自分をいたわる時間をつくること。
どれもが、血管を守る大切な行動です。
あなたの未来の体は、今日の一歩から変わります。
