前回は更年期の主な症状についてお話ししていきました。
今回は女性ホルモンと更年期との関係、さらには更年期の症状を和らげるための栄養素について詳しく説明します。
更年期障害と活性酸素
更年期障害は、ホットフラッシュ、不眠、心の不調などの症状を引き起こしますが、これらの一因として活性酸素の増加が挙げられます。活性酸素が過剰になると、細胞や組織が損傷を受ける「酸化ストレス」と呼ばれる状態が生じ、これが様々な健康問題を引き起こす原因となるためです。
酸化ストレスは、心疾患、がん、アルツハイマー病、糖尿病、加齢に伴う疾患など多くの健康問題との関連が指摘されています。
女性ホルモンと活性酸素の関係
次に、女性ホルモン(主にエストロゲン)についてみていきましょう。
エストロゲンには強力な抗酸化作用があり、活性酸素による細胞の損傷を防ぐ役割を担います。活性酸素を無害化し、細胞のDNAやタンパク質、脂質を保護することにより、酸化ストレスを減らす効果があります。
また、細胞膜や細胞内部の構造を活性酸素から守り、細胞の健康と機能を維持するのにも役立ちます。
活性酸素を抑制することは、更年期の症状を軽減するのに役立ちます。活性酸素が減ると、細胞のダメージが減り、全体的な身体のバランスが改善されていくためです。
活性酸素を抑える方法
亜鉛・セレンによる酵素の活性化
亜鉛とセレンは、体内の抗酸化酵素の活性を高める重要なミネラルです。これらは活性酸素を無害化する酵素の働きをサポートし、細胞の保護に役立ちます。
特に亜鉛は、免疫機能の維持やホルモンバランスの調整にも重要な役割を果たします。亜鉛は肉類、ナッツ、全粒穀物などに豊富に含まれています。
抗酸化物質の摂取
ビタミンC、ビタミンE、ポリフェノールなどの抗酸化物質は、活性酸素と戦うのに効果的です。これらは果物、野菜、緑茶、ナッツなどに豊富に含まれています。
色とりどりの野菜や果物を積極的に摂ることで、体内の抗酸化力を高めることができます。
更年期における女性ホルモンの減少に伴う影響を最小限に抑えるためには、日々の食生活が重要です。亜鉛やセレン、抗酸化物質を積極的に摂取することで、身体の自然な防御システムを強化し、更年期の健康問題に対処することができます。
まとめ
更年期は、身体と心に多くの変化をもたらす時期です。バランスのとれた食事と健康的なライフスタイルを通じて、更年期を快適に過ごしましょう。