羚羊角って何?!

レイヨウカクは、サイガレイヨウというウシ科の動物の角です。見た目は鹿で動きは軽快そうですが、鈍重なイメージのウシ科というのが意外です。
カザフスタンやモンゴルに住み、オスだけに角がありますが、直接頭蓋骨から生えているので、鹿のように生え変わることはありません。
その角は粉末にして古くから中国で生薬原料として使われており、鎮静作用や解熱作用があります。誰がどのようなきっかけでレイヨウの角に効能があると発見したのか、まさに中国医薬4千年の長い歴史の賜物です。
同じような効能にサイカク(クロサイ、インドサイの角)がありましたが、1980年のワシントン条約で使用禁止となったため、その代替えとしてレイヨウカクが広く使われるようになりました。当社も以前はサイカクを使用しており、 レイヨウカクに変更した経緯があります。ちなみに、サイの角は骨ではなく、体毛が固まって変化したものなので、繊維質で粉末にするのは大変でした。
そのサイガレイヨウカクも絶滅が危惧され、代替も検討されていますが、一部養殖されたレイヨウカクも流通しています。
レイヨウカクを使用した医薬品は、宇津救命丸、救心の他、配置薬に多く見られます。

高熱による痙攣に対応
【学名】…CORNU SAIGA TATARICAE
【別名】…羚羊尖
概要
解熱・鎮痙・鎮静作用があります。感冒やインフルエンザの解熱薬や抗炎症薬として使用されます。
※1973年にワシントンで採択されたことから単にワシントン条約とも言う。 生薬の中では、麝香、熊胆、虎骨、犀角、羚羊角、石斛などが国際取引禁止となっている。